漢方の得意分野・適応疾患

更年期障害と漢方

漢方の得意分野
漢方っていろんな効果があるんです。是非お読み下さい。漢方があなたの悩みを解決するかもしれません。
便秘と漢方
とある正月8日の診察風景
【ヒゲ先生】「K子さん、おめでとうさん。なんや正月から顔色よくないけど、おもち食べ過ぎたんかいな?」  

【K子さん】「先生、私また便秘がひどくなってきて…………実は今年になってからまだお通じがないんです。」
   
【ヒゲ先生】「ゲゲ!それはまたえらい溜めこんだもんやねえ。これがほんまの年越しやな」 

【K子さん】「もうお腹がポンポンに張ってきて、昨日位から食欲もないし、私、胃や腸の消化器が全然動いてないみたい。」

【ヒゲ先生】「腸がまだ正月休みとってるんやねえ。こら困ったで。早く治さんと又、吹き出物満開になるわ」

この日、K子さんには桃核承気湯を2パック眠前に服用してもらい、翌9日には無事開通されました。


ハラワタが全部出たよな身の軽さ!
 便秘はありふれた疾患ですが、腸の中で毒素を発生させて血を汚し、気分を重くしてしまいますので、何の病気を治すにも、まずお通じを整えなくてはいけま せん。漢方の処方には便秘に対するキメ細かい処方がたくさん揃っていますので、ご自分にピッタリあった処方がみつかると快調の毎日となります.西洋医学で は、便秘といえば誰でもセンナ成分のプルゼニドという錠剤か、塩類下剤のカマグという薬を使うことが多いのですが、これも風邪のときと同じで、漢方では便 秘といっても虚実、寒熱など体質によって様々な処方を使い分けるのが特徴です。保険が使える漢方の処方110種のうち、何と20種もの処方が便秘に対して 使われます。快食、快眠、快便、これ健康づくりの大基本です。毎日長い太いウンコがストンと出て気持ちがよく肌もキレイというのをめざしましょう。半年か ら1年、漢方の処方で便通を改善すると廃薬できる方もあります。センナの粉末を毎日飲んでいる方がよくありますが、腹痛や脱力感が起こることが多く、セン ナ単味を長期服用すると腸管の壁がまっ黒に変化してしまいます。複数の生薬を組み合わせた漢方の処方は、この点長期服用しても身体に害がないように工夫さ れています。

ウンコの正常値   
太さ 2cm
長さ 15cm
比重 1.06(したがって水に沈む)
完成までの時間 20時間
  黄褐色(したがって赤、黒、白、緑のウンコは異常)
  バナナ状(コロコロウンコはダメ)
  大人で一日100〜170g(一生で3t。ちなみにバナナ一本は150g)
回数 一日に1〜3回(食事の回数までは正常)

女性に便秘が多いワケ
 私の中学校時代の同級生に超美人のK田さんという方がいました。当時男子の間では「K田はトイレに行かない!」という通念が確立しており、きれいでキャ シャなK田さんを見ていると、どーしても「ウンコ」とイメージが結びつかず、実際、中学3年間でK田さんがトイレに行ったのを誰も目撃していない。このこ とからすると、ひょっとして本当にK田さんはトイレと無関係なエイリアンみたいな人だったのかもしれません。
 女性はお腹に赤ちゃんが入るスキマがありまして、少々のウンコならためこんでしまい、何も症状がないという方も多いのです。さらに女性は甘いものがお好 きな方が多く、甘いものは腸の働き(蠕動運動という)を弱らせてしまいます。便意が最も強くおこるのは朝食後ですが、このゴールデンタイムはお出かけのご 主人や子供さんにトイレを占領されていることが多く家にいつもいる奥さんは、「あとからゆっくり」なんて言っていると、いつのまにか便意がどこかへ行って しまい「また明日」ということになりがちなのです。余談になりますが、我慢したオナラは腸内を逆流して腸管から吸収され、血液の毒ガスとして肝や腎で処理 されます。オナラのまじった血液が身体をめぐればキレイになれるわけないですよね。
 「嫁の屁は五臓六腑をかけめぐり」という江戸時代の川柳がありますが、女性は便意や放屁を我慢しなけばいけない場合が多くあるのは今も昔も変わらないようです。皆さん、“便意が来たらスナオに堂々とスグにトイレに行きましょう!

こんな便秘にこの薬
A、桃核承気湯
 とにかく便秘がちで生理痛もあり、よくニキビもできるというA子さん。よくのぼせるような感じがあり、冷え症というのか手足が冷えることが多い。こんなA子さんにピッタリなのが桃核承気湯(とうかくじょうきとう)。どちらかというと女性向きの処方です。

B,麻子仁丸
 若いときから便秘がちで、時に硬いコロコロ便がある。最近、肌がカサカサしてきたし、夜トイレに立つことが多くなってきたB郎さん。最近なんだか疲れやすくなったと訴える初老の紳士には麻子仁丸(ましにんがん)が必ずお役に立ちます。

C,大甘丸
 漢方薬はキチンと飲んでいるんだけれど、日によってお通じのないことがあり、かといって処方の中の下剤成分を増やすと下痢っぽくなってしまい調子が悪い、という主婦のC子さん。あなたには錠剤になっていて調節のしやすい大甘丸(だいかんがん)がピッタリです。

D,潤腸湯
 一応お通じはほぼ毎日あるんだけど、どうもスッキリ出ない。トイレから出てもまだ少し残っているような感じがする。昔みたいにスキッ!とした快便感があるといいなあーと思っているD雄さん。あなたには潤腸湯(じゅんちょうとう)がいいです。

E,防風通聖散+通導散
 よく人から“ビヤ樽”とか“太鼓腹”とか“タンタンタヌキ”とか陰口をたたかれているE恵さん。「学生時代は私こんな体型じゃなかったのよ、子供産むた びにたくましくなって、水飲んでも肥えてしまうの、体質かしらねえ」。E恵子さんは甘いものが大好きで、先日もお友達が伊勢旅行のお土産にくれた赤福もち を一つ、一つ、あと一つと食べ、気がついたらご主人にあげようと思って残しておいた一つだけ残して、夕方までに9個ぺロリと食べてしまったのでした。E恵 さん、あなたには防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とか通導散(つうどうさん)という、皮下脂肪もとってくれる良い便秘薬があります。

F,九味檳榔湯
 水太りで足がだるく、特にふくらはぎが痛いことが多く、腹がよく張ってガスもよく出るというF智子さん。けっこう体格がよく見えるけど筋肉はやわらかく ブクブク太りという感じ。咽のつまりや動悸、息切れなどもあって、とにかく便がすっきり出ないというあなた。あなたにピッタリの処方は九味檳榔湯(くみび んろうとう)です。この薬は幕末の名医浅田宗伯の創作、理気といって気をめぐらすことによって便通をつけるのです。


アブナい便秘
 器質性便秘というのがあります。腸というホースの内腔が狭くなって内容物が通りにくくなり、便が細くなったり便の形がいびつになったりすることがあり、 1回きりならまだしも毎回このような便がある方は放置してはいけません。慢性腸炎、腸閉塞、ポリープ、大腸ガンなどがみつかることがあるからです。いつも 便に血や粘液がついている、黒っぽい便が多いなども要注意です。

食べ物の工夫
 食べ物による便秘治療のポイントは
1.便をやわらかくする。
2.便の量を多くする。
3.便のすべりをよくする。
4.腸の運動を促進する。
などがあります。イモや豆類が便秘によいのは周知の事実ですが、主食の米や小麦をきれいに精白してしまわないことも大切なことで、玄米が理想的ですが、5 分づき米もすごくよろしいです。野菜に中では“ごぼう”が王様で、食物繊維が豊富でガンを防ぐ作用がある上、肉や米の数十倍の水分を吸収して便通をよくし ます。デザートは皮つきのリンゴをおろしたものに、やはり皮つきのニンジンをジュースにしたものをプラスすると最高です。
 腸の動きを刺激するには朝おきぬけに冷水をコップ1杯飲むという方法があります。(但し冷え症の人はダメ!。)コーヒーや紅茶でも良い刺激になりますが、逆に飲みすぎるとタンニンが便を硬くしてしまいます。
 私は本屋さんや図書館へ行くと必ず蠕動運動が高まってきて快便に恵まれます。本の表紙を見ていると腸が動き出すという反射があるのかもしれません。よく 「名人といわれるような泥棒は仕事の前に必ず用を足し、身も心も軽くなって事に及ぶ」といわれていますが、ウンコをすっきり出すと、すごく心が落ち着くこ とはよく経験することです。



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